エヴォリューション
エヴォリューション 観てきました 短編映画「ネクター」と共に… まず ネクター 恥ずかしながらこの監督の作品を観るのが初めてだった為、本編前に監督の指向を知れて良かったです 日本だと飲み物のイメージが強いですが、ネクターとは元々古代ギリシア神話における薬酒…それを蜜蜂と組み合わせて表現した 妖艶な瞬間を記録した作品 彼女らの生を垣間見させて頂いた といった感覚でしょうか 普段、解釈しようと自分なりに読み込もうとしてしまう質ですが、自然と「そうなんだ」とすっと入ってきました 姿形は似ているけれど、私なんかと別の世界の別の種族の人たちだと 分かっていたからかもしれません 自分が同じ性自認の「女」であるからこそ、自分自身に潜むものと重ね合わせて ある種の共感を得られたような感覚が持てたのは嬉しかったです
続いて本編「エヴォリューション」 映ったまま進んだままに記録して言ったのだろうという印象を受けました これは一つのとある世界の記録です 少年ニコラの視点から 秘密を暴く反逆者であると共に 第三者の女性という立場から 一種の実験例Aを見せられているような感覚に陥りました これも自分が「女性」だからこそかもしれません 女性は感情的と言われますが、腹が座っていて冷酷な面もあるのです 淡々と事務処理をこなすのは、得意なのです 私はまだ子供の部分を持っていて いえ、レビューにて監督が「少女が大人になったよう」と表現されていたように 誰だっていつでも子供の何かを持ち続けているのかもしれません 今回、この作品では対象が少年でした より不気味に、より恐怖心を…ということで少女より少年にしたそうですが 彼の恐怖心を、私は知っていました だからこそ そこまでの恐怖心は共感出来なかったけれど 私はまだ子供の部分を持っていたので、未知なのに悲しい程に現実的であるという無情な不快感を強く強く想像する事ができました この恐怖心という感覚は、男性の方が共感できたのかもしれません どうなのでしょう…?
美し過ぎるほどに美しく装丁されたパンフレットを読んでいると、この作品への想いやこだわりを沢山知ることができました 大体は「あぁ…納得だなぁ」と 私の受けた印象を深く色付けるような情報の中 一つだけとても驚いたものが作品内容は、私たちの現実世界と比べると非日常的でファンタジーなものなのですが 残酷な程に、彼らのただの日常であるように見ることが出来ました その位集中して信じて観ることが出来ました と、いうのも…彼らの息遣いや環境音が思わず 共に感じてしてしまう程に、とても自然だったのです
そんな見入った理由の一つであるサウンドスケープ なんと撮影時の生音声ではなく、音声担当が録音したものを編集して作ったものだとか… 圧巻です 脱帽です びっくり
私は個人的にフランスの芸術作品のたゆたう雰囲気が好きで、今回のMも独特で曖昧な世界観を表現していて、そのこだわりを強く感じることが出来ました でも、それだけじゃ無かったんですね 彼女のこだわりを強く強く見せ付けられました
ちよっとまだ語り足りないのですが最寄り駅ついたのであんまん食べながら帰ります…(突然の日常感) 監督の記憶の印象を とある架空の世界の人たちの記録で 私たちに垣間見せてくれる 正にカタルシスを得られる作風でした 他の作品も観なきゃ…観なきゃ… 自分の内側が剥がれ落ちてゆく感覚